たまには泣けそうな映画と思って借りたけど全く泣けなかった。余命2ヶ月と宣告された女性が、夫や母親、子供には病気のことは言わずに、死ぬまでにしたい10のことを淡々とこなすという話。
私的には10のことの中の「夫以外の恋人をつくる」っていうのが気に入らなかったです。不倫だろうが、浮気だろうが遊びなら別に構わないんだけど、死んでいくのに相手を本気にさせてどうするんだってとこがいや。主人公は17歳で出来ちゃった結婚なので、浮気願望はまああるでしょうな、と思う。でも相手を本気にさせて傷つけるのはあまりに自分勝手。あー、やだやだ。
以下、真面目な話ですがお気遣いなく。
どうやら末期癌なんだけど、実際はそんなキレイなものではない。映画って嘘つきです。一人ではままならない状態だし、痛みのあまり抗癌剤モルヒネを打たざるを得ない。医者が言ってるように、楽には死なないわけである。私はよく、自分の死ぬ時期が分かっているのと、突然交通事故などで死ぬのとどっちがいいんだろうと考えることがある。私の兄が10年前に癌で亡くなっているのでいろいろ思うところがある。兄が死ぬ時期が分かるのは本当に辛かった。突然亡くなるのも悲しいけど、猶予があっても悲しい。そのときは、兄に癌の告知はしなかった。今でもした方がよかったのかどうか分からない。家族にがんの宣告をされたときには兄は元気だったけど、2ヵ月後に亡くなり、その亡くなる2週間程前にはもう口も聞けなくなっていた。痛そうで辛そうで、見てるのも辛い。本人が一番辛かったに違いないけれど。親戚や滅多に来ない友人がお見舞いに来ていたから、兄も自分が死ぬということに気づいていただろう。そう思うと切なくて仕方ない。
映画の主人公は「病院では死にたくない」「やらなくてはいけないことが山ほどある」と言ってた。本当にそう出来ればいいんだけれどね。思い残すことなく死ねれば、突然やってくる死も恐怖ではないのかも。

死ぬまでにしたい10のこと [DVD]

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